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「ララピポ」(奥田英朗)のレビューというか個人的な感想

奥田英朗さんの作品である「ララピポ」のレビューというか個人的な感想です。

 

 

 しょうもない人達の物語の短編集

 

対人恐怖症のライター、AV・風俗専門のスカウトマン、昔は売れていたらしい作家、などなど・・世間的には見たらどうしようもないというか負け組の人達の日常?を描いた物語が集まった短編集形式の作品です。

 

短編集形式なので、読みやすくはあると思います。そしてこのしょうもな人達が日常巻き起す(というか巻き込まれる)ちょっとした事件みたいなのものが面白くもあります。

 

そして、奥田英朗さんの作品なので心理描写が実に巧みなのです。この心理描写の巧みさがあるので日常的なことを描いているのにも関わらず、グイグイ引き込まれていきます。

 

この短編がつながっているのが最高に面白い

 

また面白いのが、この短編集がつながっているところです。ある物語では脇役だった人がある物語では主役で描かれています。

 

この構成が物語により奥行きを与えているようにも思えました。同じ出来事を違う視点から見えるというか。。また、「ここがつながるんだ!」という驚きもあります。この物語の構成には驚かされました。

 

リアリティに溢れているので”恐さ”も感じる

この作品ブックオフで出会い、「自分へのちょっとした戒めのためにも・・」と思い買ったのですが、いい戒めにもなった気がします。

 

というのも先ほども書いた通り、この作品心理描写が巧みでリアリティに溢れています。そこに”恐さ”も感じます。「もしかしたら、自分も一歩間違えればこんな感じになってしまうのではないか・・・」と言った思いも芽生えてきます。

 

世間的に見たらしょうもない人達かもしれないけど、なんか気持ちはわかるというか・・・共感してしまう部分が多々あるのです。人間の心がうまく表現されているようにも思えます。

 

もしかしたら、僕自身がしょうもない人なのかもしれませんけど。

 

エロさも入っているので、苦手な人は苦手かも

 

この作品には、度々エロい描写も出てくるので苦手な人は苦手かもしれません。というか引いてしまうかもしれません。

 

ただ、個人的にはこういうエロいところ、エロの欲望みたいなも含めてこの作品の良さというか、作品をよりリアルなものにしているとは思ってはいますが。

 

最後には、なんか救われた感じがする

 

しょうもない人達の物語ですが、最後にはなんか救われた感じがするのもこの物語の良さかと思います。

 

「しょうもない人達だって頑張って生きてるんだよ。みんなそれぞれの人生色々あるんだよ。明るく行こうぜ!」 みたいな感じも受けました。そのおかげか、これだけしょうもない人達の物語が続いていたり、エロの描写があったりなのに、読んだ後の気持ちはスッキリ感がありました。

 

なんとも言えない不思議な魅力の詰まった作品です。

 

 

ララピポ (幻冬舎文庫)

ララピポ (幻冬舎文庫)

 

 

 


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